協和ダム 釣りの仕組み

秋田県にある協和ダムでニジマスの釣りが周年okである事を以前のトピックで紹介した事があります｡
止水の釣り場の少ない東北地方で、しかも冬の期間も釣りが可能となるとかなり希少なフィールドになるわけですが、果たしてその仕組みやいかに?!という事で調べてみました。

ご注意）以下の内容は協和ダムの水系を管轄する仙北西部漁協さんおよび秋田県農林水産部水産漁港課漁場利用班さんに教えていただいた内容を、私が独自に咀嚼して解説したものです。

協和ダムでの釣りの全ルールは大体次のようになります。

• あゆ
  ○手釣、竿釣、たも網/１,０００円(一日)/６,０００円(年間)
  ○投網/２,０００円/６,０００円
• いわな、やまめ
  ○手釣、竿釣、たも網/１,０００円/６,０００円
• うぐい
  ○手釣、竿釣、やす突、たも網/８００円/５,０００円
  ○投網/１,５００円/５,０００円
• こい、ふな
  ○手釣、竿釣、やす突/８００円/５,０００円
• やつめうなぎ
  ○やす突/６００円/３,８００円

＊以上現場納付の場合は５００円の加算

• にじます※1
  ○C&R※2/１０００円

※ 1　にじますは漁業権魚種ではない。そのため遊漁料としてではなく協力金としてのお願い事項。従って遊漁者の支払い義務は無い。
しかしながら地域の方々の努力や漁協さんの前向きな姿勢、そしてこのフィールドが末永く釣り人を楽しませてもらえるように考えると、協力したいものである。
※ 2　にじますのC&Rも｢お願い｣ベース。法律的には違反したからといって罰則が与えられるものではない。地域の方々が自ら決めた管理ルールに従うかどうか?という、個々人のモラルに委ねられている。
私が現地を訪れた時には、一部この主旨にそぐわない立て看板も見られた。しかしそれも追求すると釣り人のモラルに行き着く問題でしょう。

これらのルールからいくつかの疑問が生じると思います。･･･というか、私が感じた疑問を問い合わせてみましたところ･･･

Q1.協和ダムでイワナ･ヤマメを釣る時、ニジマスの協力金を支払う必要があるのか?
A1.イワナ･ヤマメの釣りをする場合、その遊漁料である￥1000/一日の支払いが義務となる。(これは協力金ではない)

Q2.協和ダムでニジマス釣りをすると、イワナ･ヤマメを混獲してしまう可能性があるが?
A2.間違ってヒットしてしまった魚は直ちに放流する事で適切な処理とする。

という事になりました。

ニジマスが仙北西部漁協の漁業権魚種になっていない事、またダム湖という限られた水域である事が上手く利用された、前向きな取組みですね！
しかしオフィシャルなルールの中に、細かいところで今ひとつグレーな部分もあるように思えます。
例えば、このルールでは夏期間中に協和ダムでフライフィッシングをする際に支払う金額の意味合いがよくわかりません｡支払う￥1000はイワナ･ヤマメの遊漁料なのか､ニジマス協力金なのか､はたまた両方で計￥2000支払う方が良いのか･･･｡
ニジマスは最初からC&Rが求められているので、イワナ･ヤマメを釣っている時に誤ってヒットしてしまったら、
｢直ちに放流する｣事で適切な処置
という事になってしまいます。
でもそれなら最初からイワナ･ヤマメの遊漁料を支払えば釣り人側としては事足りてしまう･･･。
ニジマス協力金を求められるのがイワナ･ヤマメの禁漁期間中のみ･･･ということであれば辻褄があうので､実際はそういう運用がなされているのかも知れません｡
現実的には漁協側で重点的に増殖する区域の思想や魚種による禁漁期の設定などで解決している事なのでしょうけど、その事をどう説明していくかは考えていただかなければならない事ですよね。

また、ニジマス協力金が本当にニジマス放流･釣り場管理等に有効に活用されているのかどうか?という事が満足に説明される準備も必要だと思います。
(漁業法上の遊漁料も、｢ちゃんと増殖のために利用されている｣という事を、漁協はもっと積極的に釣り人へアピールする必要があるとも思いますが、この事はまた別のお話で･･･)

しかしこれらの事はいずれも｢細かい｣事であり、今後の運用とともに改善されていけば良い事だと感じます｡
地域の方々と漁協の皆様、そして地元の有志の方々の積極的な取組みを評価して、色々な方面での‘復活のカンフル剤’になり得れば良いと感じ、応援していきたいフィールドのひとつです。

注)公水域でのニジマスの増殖が生物多様性的にどうか?という事については、また別に考えねばならない事と思っています。
このトピは、活動者のアクションと姿勢を評価したものですので、誤解なきよう。m(__)m